コールドブリューコーヒーの話

もう恐らく2年以上、缶コーヒーを飲んでいない。

昔は好きだったエメラルドマウンテンや無糖の缶コーヒーも、いつしか美味しいと思わなくなった。

いつものハンドドリップにも砂糖は使わず、ブラックかミルクの2択。

コンビニで自然とビターチョコを選んだり、苦手だった野菜が美味しいと気づく感覚になんとなく似ている。

 

 

20189月下旬、サンフランシスコ

 

サンフランシスコの朝は快晴だった。

 

ロスからラスベガス、サンフランシスコを経て、再びロスに戻って来るというタイトなスケジュールも後半に差し掛かかり、海外の雰囲気にもだいぶ慣れ始めた頃、一緒にいた友人に1日の午前中だけ、別行動をとる提案をした。ポケットWi-Fiは一つ、インターネットは使えない。今思えば幾分無謀な計画だったように思う。

 

当時の自分にはコーヒーブーム(現在も続いている)が訪れていた。コーヒーと言えばまずはイタリアやシアトル、メルボルンを連想するが、サンフランシスコもコーヒーの街。コーヒーの第三の波、サードウェーブの振源となったカフェがサンフランシスコにあると言われている。前日のホテルでGoogleマップを使ってルートを決め、スクリーンショットでオフラインに抗う。乗り物に頼らず自分の足をひたすら使ってカフェを巡る、シンプルな計画を立てた。

 

サンフランシスコは日本や韓国に徐々に店舗を増やしている「ブルーボトルコーヒー」が生まれた場所でもあり、勢いのあるコーヒーショップが多く名を連ねている。この日行ったのは「サイトグラスコーヒー」「リチュアルコーヒー」「フォーバレルコーヒー」の第一号店。朝からそんなにたくさんコーヒーが飲めるかというよりも、自分の足で店まで行き、注文してその味を確かめるという事が重要だった。

 

 

 

 

ハリオのフィルターインコーヒーボトル

 

夏に合わせてハリオのフィルーインコーヒーボトルを購入した。ブルーボトルとのコラボアイテム。コールドブリューには青がよく似合う。

 

ドリップバッグは石川県加賀市にあるmie coffee のもの。500mlの水を入れ、冷蔵庫で8時間寝かせるだけで完成。ドリップバッグでも良し、豆を挽いて直接フィルターに入れて作るのも良し。ボトルに400、600、750mlごとに印が付いているのが、ズボラな性には地味にありがたい。

 

 

予想外の甘さ

アクシデントは初っぱな、サイトグラスコーヒーで起きた。

 

平日にも関わらず店内は人で賑わっていて、本場の雰囲気?に飲み込まれそうになりながら中央のレジカウンターへ向かう。大学受験で使うような英単語しか知らなかったが、なぜか上手く会話、やり取りできる自信はあった。コールドブリューと美味しそうなクロワッサンを注文。

 

2階の席を確保し。クロワッサンをひとかじりして、洒落た瓶に入ったコールドブリューに口をつける。

 

 

 

「なんだこれ

 

 

ブラックコーヒーを受け入れる準備をしていた口に入ってきたのはとてつもなく甘い飲み物だった。大量にシロップが入れられているようで、虚しくも美味しいとは全く思えなかった。

 

今となってはあくまで予想しかできないが、レジでミルクは?と聞かれて「要らない」と答えた後、その確認と思って適当に返事した「Yes」が、シロップの有無の事だったのだと思う。それにしても日本人をなんだと思っているのか、あの大量のシロップ入りコールドブリューコーヒーは異常に甘くて、苦い思い出となった。

 

 

 

美味しいコールドブリューと再会

 

アメリカ旅行から帰ってきてしばらくの間、コールドブリューコーヒーを飲むことは無くなっていた。レジの前でCold Brewの文字を見るとどうしてもあの甘い味を思い出してしまう。ただその代わり、アイスラテが一層好きになった。マシーンがないので家で簡単には作れない、カフェに行けば必ずと言っていいほどラテを注文するようになっていた。

 

大学を卒業し、地元長崎を離れて半年ほど富山に住んでいた頃、家の近くにあったGood enough coffeeへよく豆を買いに行っていた。2019年春にオープンしたばかりで、内装は今っぽくてシンプル。取り扱っている豆の豊富さが好きで、一人で居座ることもあれば、コーヒーフリークの同期を誘って行く事もあった。

オープンしたばかりもあってかエスプレッソマシンは置いていなかったが、ここのアイスオレとチーズケーキセットは個人的に名物だった。ここで飲むアイスオレが特に美味しかったので、店員さんにどんな風に作っているのか聞いてみたところ、コーヒーにはコールドブリューを使っているらしい。しばらく飲んでいなかったので気付けなかったが、確かにあの独特な風味がある。コールドブリューは悪くない、これ自体は美味しいんだと気づかせてくれた。

 

 

週末、いつものビジョングラスに32でコーヒーとミルクを注ぐ。

コーヒーのお供はお菓子だけではない。最近買ったSpotifyの本を読みながらAnkerのポータブルスピーカーでプレイリストを流せば、ゆったりと流れる時間を一層安らかなものにしてくれる。

 

 

 

 

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